自分が考えるケアとは その1

訪問看護ステーションは、管理者によって随分違ってきます。

私たちは、ディスカッションを大事にするステーションであ

りたいと思ています。例えば、「どうすれば良いのですか?」

と聞かれたら、「あなたはどうすれば良いの思うの?」と聞

き返しています。

場面場面で、変だなと疑問に感じたら、それぞれが考えて

行動していく文化です。

 

◆「病院ではない、どこかないかな?」 訪問看護で直面

した課題

 

これまでの訪問看護で、本当にいろんな方に出会いました。

そして、たくさん課題をもらいました。

 

◆訪問介護では週5回、看護師とヘルパーが訪問しますが、

外に行くにも準備などが大変な自宅で暮らす日々が続きま

す。以下は夫婦二人暮らしで、(ご主人が)ALSで呼吸器を

付けて生活されている方のケースです。

 

その方は私に、「今度、僕と同じような人に出会ったらもっと

早い時期から(患者)本人の希望を聞いてあげてほしい」

「妻は全く自分の時間を作れず、(患者)本人も(看護師)訪

問時に5分くらい散歩に行く程度です。

妻の休息に・・・と言って病院関係者は(僕の)入院を勧める

けど、結局、妻は僕のことが心配で、毎日病院に通ってしま

うと思います」と言いました。

(・・・そうすると・・・妻はやっぱろ休めない・・・と

いう意味)」

 

訪問看護ステーションを開業した後も、私たちはこのよう

問題を検証し、自分たちに何ができるか答えを求め続けま

した。

その結果、住む(泊まれる)場所がほしいという結論に至

り、平成26年(=2014年)にNPO法人を立ち上げ、ホーム

ホスピス「きりんの家」を運営するに至っています。