2/3(日)
わたくし、きりんのゆめの会員で、きりんの家を毎月シ
ョートステイで利用している者(=利用者)の家族です。
今朝、教会の第一礼拝には間に合わなかったので、教会
に近いきりんの家でちょこっと(30分ばかり)時間つぶ
しをして、第二礼拝にゆとりを持って出席できればいい
な~と、コンビニで和菓子を買ってきりんの家に寄りま
した。「おはようございま~す!」
あれ?
あれ?
なんかへん。なんか・・・雰囲気が・・・へん。
介護師のTさんと知らない女性(=利用者さんのご家族)
がリビングにいらっしゃいました。
「未明に亡くなったの」・・・と静かにご家族がおっしゃる。
「え?どなかが?」
「この部屋の人」
「え? この方、先日、清水さん(=歯科衛生士)に歯を
丁寧に手入れをしてもらっていた方ですよね。撮影しても
いいですかって聞いたら、うんって頷いてくださったので
私、撮影させてもらいましたよ。その間いやがらずに歯を
開けてきれいにしてもらっていました。穏やかな方だな~
ってずっと思っていました。おまけにハンサムな方ですよね」
「話せなくなってからおとなしくなりました」・・・奥様
「話せる時は、かゆい時など大変な騒ぎでしたけど、話せ
なくなって意思表示が難しくなってからはおとなしくなり
ました」・・・(奥様)
「ああ、そうですか。そのかたにご挨拶してもいいですか?」
「午前2時過ぎに亡くなりました」
「そうですか、では奥様はここにお泊りになったのですか」
「いえ、家がすぐ近くなので泊まってはいません」
「夜中に電話がかかると、ドキッとしますよね」
「はい。もうそろそろだと先生にも言われていたのですが
やっぱり家にいても落ち着かないし、電話がかかるとドキ
っとしますね」
「そうですね。私にも経験があります」
「お疲れ様でした」・・・私
「ここで過ごせて良かったわ~。ほんとに良くしてもらい
ました。ホントにここで看取ってもらって良かったです。
へいぞーさんは寝ないでずっと見てくれました。」
「そうですかぁ」
「ここで皆さんに大事にしてもらいました。ほんとにここ
で良かったです」
あれ? なんか寝ているようなお顔ですね。色つやがすごく
いい。それに、このかた病気じゃないみたい。病気のかたの
お顔じゃない。どこも痩せ細ってない、どこもむくんでない、
それに・・・このかた、すごくハンサムですよね。鼻が高く
てカッコイイわ~。
「わかる?」・・・と奥様
「あはは、はい、わかります、ハンサムな方ですね。それに
若いし、精悍(セイカン)な顔をしてる。なんだか寝ているみた
いだわ。お顔の色つやがすごくイイですね」
「それは、ヘイゾーさんがお風呂に入れてくれてワセリン
を塗ってくれたの。顔もきれいにしてくれましたから」
「それもあるけど、もともとがハンサムなんだと思うわ」
・・・と私。
「そうなのよ、私の見たてが良かったのかも」・・・奥様
「あはは、そうなんですか?」
「お見合いの時に言われたの。うちには男2人いるので兄で
も弟でもどっちでも好きな方を選んでくださいって。だから
わたし、弟の方にしたの、フフフ、選べたのよ」
「は~い。そうだったんですか」
「兄弟2人とも畳屋さんで、同じ職場でずっと職人として働
いていたの」
「ふーん、だから精悍な顔をなさっているんですね」
「職人の顔よね」・・・奥様
「ああ、どうしよう。今気がついたわ。うちには子どもがい
ないから、今日から私一人になっちゃったんだわー」
「お体に気をつけてくださいね」
「時々きりんの家に話しに来てくださいね」・・・ときりんのス
タッフ
「え、いいの? 来ていいの、そうするわ」
お兄さん夫婦もそばにいらして・・・ご遺体をおうちに連れ
て帰ってくれる車を待っていた。
さいたま市も火葬場はこの時期混んでいるので、8~9日まで
おうちで待機ならしいです。
私が「ご主人の歯の口腔ケアをした時の写真を先日撮りました
が今ご覧になりますか?」と聞いた。奥様はその画像をご覧に
なって、「その写真、今度ください」っておっしゃった。
「今日のお顔も撮影しても良いなら、それと一緒に写真にして
お送りしますよ。ご住所を書いてくだされば」
「ぜひお願いします」
「ではここにご住所とお名前を書いてください。私はきりんの
のスタッフではありません。私はここの利用者の家族ですけど
いいんですね」
「カメラが趣味なんですか?」
「はい、好きです。へたですけど」
「ぜひ送ってください」
「はい、承知しました」
「こんな時に、和菓子を出してもよいですか?」
畳やさんの義理のお姉さんが、「この人(亡くなった方の
奥様)、夜中にここに来て今までずっと食べてないから、
あげてください」
「はい、どうぞ」
「1つだけ戴くわ」
「どうぞどうぞ」
葬儀屋さんの車っておうちに戻るだけなので普通の車が来る
のですね。それをきりんのスタッフと見送ってから、私は
当初の予定通り、浦和の教会の第二礼拝へと向かった。